お金持ちのお金の使い方

私がたまたま間近でその行動を目にする機会に恵まれたお金持ちは、面白い方でした。

基本的にものすごくしまり屋で、例えば秘書の方の電話料金や文具類のコストには非常に厳しく、1円でも10円でも安く済む方法を常に考えるようにとよく言うのです。

オフィスの備品も多少ボロくても、掃除や手入れを繰り返して全然気にしません。

ご自分は数千万円の高級車に運転手付きなのですから、秘書がアスクルで文具を頼もうが、近所のコンビニで調達しようが大した違いはないのでは?と、傍から見ていると思うわけですが、とにかく倹約できる部分はとことんしなさいという方なのです。

しかし全てにおいてしまり屋かというと、そんなことは無く、年に数回は自分のために働いている社員を集めて、一人数万円もするようなレストランで食事会を開くようなこともされていました。

普通に考えて、毎月お給料も払っている社員たちにそこまでするのは、気前の良い社長さんではないでしょうか。

そこでこの一見極端な態度を「この人のお金の使い方はどういう基準なのか」とつぶさに観察していると、結局、元が取れる事・リターンが見込める事には大きくお金を使い、それ以外はとことん締めてかかる、というのが主なポリシーなのだと分かってきました。

文具代や電話代は、一度使ったらただ費用を払うのみで、払ったお金が何らかのリターンに繋がる可能性はほぼありません。

ですからこういう出費は極限まで抑える。

それに比して食事会などは社員の士気を高め、彼らがもっと社長のために頑張ろうという気を引き出すリターンが期待できますし、運転手付きの高級車というのも、移動中にも快適な仕事が出来る設備として、すなわち移動時間中も利益を生み出す時間と活用するための必要投資というわけです。

要はその時出て行く金額の多寡ではなく、使った分以上の見返りがあるかどうかで、意思決定するのがお金持ちなんだと思ったのです。

それに対して私たち庶民のお金の使い方はというと、どうしても消費財や固定費、つまり支払ったお金がリターンを生まないジャンルへの支出割合がやっぱり多いのです。

服や雑貨、コンビニ、スマホ料金(ゲーム課金等含む)、賃貸物件の家賃など、暮らしていく上で不可欠な物も多く、毎月稼いではいても、お金持ちに比べるとリターンを生むジャンルに回せない現実があります。

実際社会人になってみると、100万円だって一生懸命貯めないと貯まりません

でもどこかで少し無駄を削って、少しずつ回せるお金を増やしていきたいものです。

リターンを生むジャンルとして代表的なところでは、自分のスキルを上げるための書籍代や学習費用、株やFXへの投資、不動産投資などがあり、もし自分の現状を変えたいと思えば、これらに積極的にお金を回す意識をすることがまずその一歩と思うのです。

お金持ちは意外と私たち庶民以上に、注意深くお金を使っているものなのです。