お金を貯めるよりも大事なこと

日本のお正月には子供にとっては素晴らしい、大人にとってはちと苦しい「お年玉」という風習があります。

これは子供にしては大きな金額を手に出来る、得がたい機会と言えましょう。

そして親にしてみれば、子供の無駄遣いを戒めねばならない、気の抜けない時期です。

ここであなたの子供時代を思い返してみてください。

あなたの親御さんはお年玉を・・・

1.貯金しなさいと言った
2.好きに使いなさいと言った

果たしてどちらだったでしょうか?

私の親は1でした、ずーっと1でした。

そしてこれを言う親御さん、言われた子供というのは
まず一般的な家庭の子である可能性が大です。

ではお金持ちの親御さんは何と言うのか?

これは結構、2のパターンが多いようなのです。

子供に1のように言う親御さんというのは堅実で、子供に浪費家になって欲しくない、
お金を大切にする子になって欲しいという思いが強く、
それ自体はとても真っ当な考えだと思います。

逆に2のように言う親御さんというのは、
その後、子供のお金の使い方を観察しています。

訳の分からない物をゴチャゴチャ買っているのか、
それとも何かこうした機会でないと買えないような物や体験をしようとするのか、
それを見ているわけです。

逆に言うと、2が言える親御さんというのは
以前から子供に対して何らかのお金の教育をしてきているので
ある程度、わが子のお金の扱い方に信頼を置いているとも言えます。

ともかくこれは子供が成長するにつれ、お金に対する考え方に影響を及ぼしてきて

1を言われ続けていると

・お金とはあまり使ってはいけない物
・お金を使うのに罪悪感を感じる
・必要な時にも大きい金額を使いたがらない(決断ができない)

2を言われ続けていると

・お金とは使い方次第で有益にも無益にもなるもの
・お金を使うのは楽しい(使うことに罪悪感がない)
・金額ではなく、内容でその価値を判断する

こういう傾向になっていくようです。

そして将来的にどちらの子供の方が大きなお金を稼ぐ可能性があるかというと
2の方になるわけです。

ある経営者の方などは、小学生の子供さんに
お年玉だけでなく、普段のお小遣いも一年ごとにまとまった額を渡して
それで一年間、自分でやりくりをするように言い渡したそうです。

一番最初の年は案の定、わずか2~3ヶ月で一年分のお小遣いを使い果たし
あとの残りは泣いてもわめいても小遣いゼロ。

すると次の年はもっとよく考えるようになって、
12の封筒にお金を均等に入れて、それを毎月使う方式を自分で考えたのだそうです。

さらに中学生のころには、毎月の支出をセーブして、
一年かけて残したお金で旅行にも出かけたのだとか。

この話を聞いたとき、お金持ちの子供と庶民の子供では、
お金の扱い方・慣れ方においてスタート地点から大差を着けられていることを知って
内心ショックを受けました。

ただはっきりと分かったのは、お金持ちというのは、
お金を貯めることより、上手い使い方をマスターすることを
まず子供に教えているということです。

つまりお金持ちになりたければ、上手い使い方をマスターすること。

これが必須条件なのだろうということです。